家具キノクニヤ店長
2019年に50周年を迎える「穂高」シリーズ。どこか懐かしく、落ち着く雰囲気は50年経った今でも、飛騨産業の人気シリーズとして長く愛されています。修理や、張替え、交換をしながら10年、20年と使う方もいれば、新しい生地「ナベタイラ」で新たなファンになった若い方も多いシリーズです。
飛騨産業の穂高シリーズの主な特徴
穂高が発売されたのは1969年。発売当時の日本は戦後の好景気で、洋式化が急速に進んでいました。そんな中、日本人の暮らしに合った家具を作ろうとして穂高は発売されました。それから、50年。累計販売台数60万台超(高単価な家具では異常な数字です。)、今でも愛され続ける、穂高シリーズの特徴を紹介します。
カントリー調の優雅で、どこか懐かしいデザイン
最近では珍しくなったカントリー調の家具。発売した頃は洋式スタイルのモダン家具でしたが、今ではレトロ、アンティーク、懐かしい家具の類になってきました。ただ、洗練されたデザインは50年経っても色あせることなく、落ち着いたライフスタイルにピッタリの家具です。
花柄とくびれのあるロクロも大きな特徴です。
だんだん増やしていく椅子
穂高といえば、「暮らしの手帖」の花森安治さんに絶賛されたことでも有名です。「だんだん増やしていく椅子」は穂高を表現した名キャッチコピーとして全国の催事・家具屋で話題となり、全国で爆発的に売れることとなりました。
飛騨産業「穂高物語」より引用
洋式化しているとはいえ、まだまだ家屋も小さかった日本。そんな日本人の暮らしに寄り添い、生まれた穂高は日本の暮らしに馴染んでいきました。
頑丈な作りと、修理・交換しながら世代を超えて使う
穂高はまさに世代を超えて、2世代・3世代で使われている家具です。2018年もクッションだけ、座枠だけ交換用に購入される方が多くいらっしゃいました。張替えをしなくても、交換時に柄を変える人も入れば、悩んだ末にいつも定番の柄を選ばれる方もいらっしゃいます。
家具メーカーも流行り廃りが激しい業界です。そんな中、穂高は50年、飛騨産業は2020年で100年を迎えます。歴史と実績のある飛騨産業だからこそ、「10年経ったら交換して、20年使おう」と安心して思えるのかもしれません。
背と座のクッションは2017年にカバーリングタイプも発売になり、カバーだけのお手入れも簡単にできるようになりました。また座クッション下の「座枠」だけも購入すれば、お客様ご自身で交換ができます。
座枠の交換方法はコチラ↓(飛騨産業公式YouTubeより)
手入れをしながら、長く使うという考え方は50年経って、今また再評価されている暮らし方かもしれません。
穂高シリーズの商品ラインナップ
穂高は代表的なリビングチェアをはじめ、リビングテーブル、ダイニングセット、そして収納家具など幅広いラインナップです。リビングチェアは背面の高い、ハイタイプもあるのは嬉しいですね。座枠や交換クッション、ギボシなど交換用パーツも充実しています。
穂高の魅力や気になること
50周年も変わらず愛されるのには理由があります。特徴では語り切れなかった、魅力やお客様から頂く質問などをご紹介します。
華やかで、懐かしい、種類が豊富な花柄
穂高の魅力は、何といっても華やかな花柄です。初場当初はぶとう柄だったそうなのですが、花柄に変更した途端に、売れ行きが上がったそうです。クッションの交換は使用頻度にもよりますが、交換目安は5-10年くらい。そのたびに柄を変えるだけで大きく印象は変わります!
生地によって印象が大きく異なる穂高。メロウやハウザー、ナベタイラのように織りが立体的な生地も魅力の1つです。
生地によって異なる縁・裾の仕様や柄合わせ
穂高のリビングソファを良く見ると、縁や裾がヒラヒラになっているもと、そうじゃないものがあります。生地によって見た目が美しくなるよにいくつかのパターンがあるんです。
生地の特性に合わせた組合せなので、違う裁縫の仕様は選べませんので、ご了承ください。
また、生地によって柄合わせの方法が異なります。
新柄ナベタイラの魅力 2019年秋にさらに新色登場♪
50周年を記念して発売になった新柄「ナベタイラ」。大きな花柄は懐かしくも、今のライフスタイルに合っています。北欧風とも違う、日本らしさを併せ持った可愛い柄です。デザインをした鹿児島睦さんは「ウィリアムモリスのような永く愛される、手仕事感のある良いもの」を目指して作ったそうですが、ゴブラン織りの風合いと、可愛い色味の花柄が素敵です。
この生地が発売になってから30代、40代の方の穂高の問合せやご購入が増えて来ました。
当店でも入荷に合わせて、紹介記事を書きました!生地について気になる方は是非、見てみてください。
そして2019年の秋にさらに新色が追加されました!
アンティーク塗装の魅力
穂高はお家に置いた瞬間からグッと、馴染みます。それはアンティーク塗装(K色)という塗装をしてあるからです。均一な濃さで塗るのではなく、あえて濃淡を付けることで、使い込んだ自然な風合いを出します。
通常の塗装より手間が掛かりますし、なかなか自然にこの濃淡をだすのは難しいそうです。
このK色、スタンダードのシリーズでも対応できるものもあり、落ち着いた風合いを好む方には人気なんです!
握りやすいアーム
穂高のアームチェアの美しさは機械だけでなく、職人さんの多くの工程を経てできています。穂高50周年を記念して、書かれた穂高物語にはいかに、穂高の肘の工程が大変か、熟練した技術と経験がいるのか書かれています。
穂高の肘が磨ければ一人前
穂高の魅力の一つである優雅なラインの肘。この肘ができあがるまでには、実に十数工程あります。まず、角材をオビノコという機械で荒切りしてから、木の材質や節を丁寧に見ながら右肘用と左肘用とに選別し、コッピングの機械にかけます。コッピングとは、金属の型の通りに機械が木を倣い、削り、同時に磨いていく機械です。
コッピングで削り出した後は、磨きに入ります。磨きだけで5工程。機械磨きも取り入れていますが、細かいところは手で仕上げていきます。木はひとつひとつ、堅さも木目も違うので、それを確かめながら、座る人の腕をやさしくサポートするくっきりとしたラインを磨きだすには、やはり人間の手の感覚が必要なのです。穂高の肘が磨ければ一人前、とも言われるほど難しい作業です。
ついつい何度も触りたくなるようなアームの先っぽです。
嬉しいハイバックタイプも
商品ラインナップでも紹介しましたが、穂高のリビングチェアは通常タイプと背面の高いハイタイプがあります。背の高い方、首まで支えがあったほうが落ち着く方など、意外とニーズが高いハイタイプ。
- 通常タイプの高さ:83㎝
- ハイタイプの高さ:93㎝
座面の高さは同じですが、背面の高さが10㎝違います。金額は定価で12,000~13,000円(税抜)、ハイタイプの方が高いです。ハイタイプが好きな方には嬉しい選択肢です。ハイタイプは高さだけでなく、背中のボタンが6つあるのが特徴です。
懐かしいロッキングチェア
飛騨産業では現在、ロッキングチェアを8種類作っています。国内メーカーはもちろん、世界的に見てもこんなに多くの種類を作っているメーカーは珍しいくらい、ロッキングチェアが得意なメーカーなのです。
そんな中でも一番人気なのが、穂高のロッキングチェア。
当店の展示で試す大人も、子供も皆さん喜ばれます。(写真は当店の看板娘です。)ロッキングチェアで読書なんて良いですよね。
穂高のクッション・カバーリング & クッション硬めの裏メニュー
穂高のクッションは自分で簡単に交換が可能です。交換の際は自分が今お使いの穂高の椅子の種類を教えてください。
お手入れや交換がしやすい穂高に2017年からカバーリングタイプのクッションがでました。カバーリングタイプならクッションのカバーだけを簡単に手入れができるので人気です。
■カバーリング仕様の費用
・No.6(通常タイプのチェア):6,000円UP
・HK255(ハイタイプのチェア):8,000円UP
・No.6S(スツール):3,000円UP
そして、もう1つ裏メニューがクッション硬め。飛騨産業のソファの座面は平均的なものよりも少し硬めが多いですが、より高密度のウレタンを入れるオプションがございます。
■クッション硬め仕様のUP費用
・チェア1脚:3,000円UP
※金額が変更になっている場合もございますので、気になる方はお問合わせください。
穂高のクッションに定番の花柄以外の布も張れるの?
穂高には花柄など穂高定番の布上20ほどあるのですが、それ以外でも飛騨産業のファブリックコレクションの布でしたら、張ることが可能です。
ただし、本革・合皮は対応しておりません。例えば以下のような布も張ることができますので、お気軽にご相談ください。
生地の特性に合わせて裾や縁の仕様は決まっております。お気軽にご相談ください。
穂高のコーディネート・組合せ・納品事例
穂高はカントリー調の特徴的な商品ですので、シリーズで1つの空間を揃える方が多いです。
アンティークなお部屋に穂高のリビングセットを
メロウWH×K色の上品な組み合わせのリビングセットを納品した事例はコチラです。ハイバック&カバーリング仕様で見た目はもちろん使い心地も重視した組み合わせとなっています。
座り心地がよく、頭がおけるハイチェアにしてよかったです。クラシックで落ち着きがあり部屋と調和している所やシートカバーが洗える所がお気に入りです。
穂高のデザインにこだわった特注テーブル
こちらは穂高のオケージョナルテーブル特注サイズとイスの納品事例です。侭のようにサイズが選べるセミオーダーのテーブルもありますが、脚のロクロなど穂高の魅力的なデザインにこだわり、高さと直径を変更して特注のオケージョナルテーブルを納品しました。
穂高のシンプルで上品なデザインが気に入っています。肘がないイスはかさばらずスッキリしているところが使いやすいです。
穂高の木の種類や塗装色・張地について
穂高シリーズはホワイトオークのみ対応しています。塗装色は2色のみの展開です。
穂高の人気の塗装色
穂高の人気の塗装色は定番のアンティーク塗装のK色です。濃淡のある塗装は使い馴染んだような風合いを生み出し、味わい深さが感じられます。
最近は白味がかったWO色も人気です。どこか懐かしさを感じる穂高も、WO色は今っぽさがあり近年人気の明るいお部屋にも合わせやすくなっています。50周年記念のナベタイラという生地はWO色と合わせることも多いです。
穂高のソファの張り布の種類
穂高には穂高限定の花柄の生地、また穂高にしかない、お得なA-Sランク、Aランクの生地もございます。(定番のコットンG,コットンBUはお得なA-Sランクです。)それ以外の生地も選ぶことができます。本革、合皮は対応できませんので、お気を付けください。
詳しくはメーカーサイトよりご確認ください。
穂高の新しい生地
花柄のイメージが強い穂高ですが、2020年冬、大胆な模様が特徴的な「クツロギ」という生地が登場しました。飛騨産業創業100周年を記念して染色家の柚木沙弥郎氏がデザインした生地で、クツロギの登場によって穂高の魅力の幅はさらに広がりました。
クッションのお買い替えなど、今までとイメージを変えたいという方にもコチラの生地はおすすめです。
飛騨産業の穂高シリーズの当店特別SALE開催中
当店にも展示がしてある穂高シリーズですが、特別SALEを開催中です。椅子1脚やクッションだけの購入でもOKです。もちろん定番の侭やCRESCENT、SEOTOなども対象です。
飛騨産業の穂高の注文方法
穂高シリーズは当店で取り扱い可能な商品です。是非お気軽にご連絡ください。
穂高の価格帯
穂高シリーズの定番のリビングチェアは両アーム、片アーム、アームなしを組み合わせて使います。それぞれ8-10万円くらいの定価です。交換用のクッションは3万円前後くらいからの価格帯です。
飛騨産業の穂高の納期
飛騨産業の商品は全て受注生産ですので、穂高シリーズもご注文からお届けまで30日から40日程度掛かります。時期によっては多少前後することもございます。ご注文から1週間程度で納期が確定しますので、お客様へのお届け日の調整をさせて頂きます。
飛騨産業の穂高の実物を見るには
飛騨産業の穂高シリーズは全国6か所のメーカーショールームに展示してあります。当店には50周年記念のナベタイラのロッキングチェアを展示しております。
特に当店近くの飛騨の家具館 高山ではチェア、テーブル、ソファなど全て展示がございます。事前にご連絡頂ければ、高山の飛騨の家具館で、当店スタッフがご説明・お見積りすることも可能です。
飛騨産業の穂高を安く買うには
飛騨産業の商品はメーカーショールームでは定価で販売しております。当店では飛騨産業と同じ飛騨高山にあり、長く取引もあることから地元ならではのお買い得な価格で人気の穂高シリーズを販売することが可能です。
もちろん、正規販売店ですのでメーカーの10年保証も対応しております。当店でのお見積りはページ下部のお見積りバナーからお問合わせ下さい。
飛騨産業の穂高の修理・張替え
飛騨産業の椅子は耐久箇所(木部)についてご購入から10年間、製作過程の不都合による破損の場合は無償修理いたします。また長くお使頂くために修理もメーカーにて受けております。
修理は商品の種類や状態によって金額は大きく異なります。修理も決して安いわけではありませんが、日々手入れをしている家具を、修理をしながら、長く使うことは地球環境に良いだけでなく、商品への愛着がより深まります。
・椅子の修理の例:座面の張替え(場合によっては座面だけの交換)、座割れの接着、チェア組みなおし、椅子の再塗装などが可能です。
【修理の流れ】
・購入した店舗、もしくはメーカーに連絡
・お見積り:商品の写真をメール等で送って頂きます
・家具のお預かり:お見積り内容に合意頂けましたら、商品を飛騨産業の修理工場まで送っていただきます
・商品の確認:修理箇所を確認。追加の修理の必要があればご連絡します。
・修理:飛騨産業の修理師(Dr.kitutuki)が丁寧に修理をします
・商品のお届け:修理が完了した商品をお客様のもとへお送りします。
最後に
いかがでしたでしょうか。飛騨産業の「穂高」。50年愛され続ける、ロングセラー商品。気になる方はお気軽にご連絡ください。