「ウォールナットの家具が欲しいけど、予算的に厳しい・・・・・でもウォールナットのようなダークブラウン(濃い茶色)の家具で揃えたい。」そんなときは他の木を濃い色に塗装してみるのはどうでしょうか。
色味はあまり差がないですし、木目の風合いの違いを理解して気にならなければ予算よりも安く買えるかもしれません。(木目の風合いが、ウォールナットよりも好きという方も実は多いです。)
この記事では飛騨産業のウォールナット(塗装色:WA色)とホワイトオーク&ビーチ材(塗装色:WD色)を比較してみます。
ウォールナット、ホワイトオーク、ビーチ材の特徴
どれも家具に良く使われる高級な木材ですが、木目や風合いの特徴が異なります。簡単にご説明します。
ウォールナットの特徴
ウォールナットはクルミ科の広葉樹。世界三大銘木の一つにも挙げられ、色味の濃い高級感のある木材として人気があります。その分、ここ十数年で特に値段が上がっている木です。
見た目の特徴としては、木自体がチョコレートのような濃い茶色で、まっすぐな縦縞の木目。その他に「衝撃に強い」「加工後の反りや曲がりによる狂いが少ない」「艶や色に深みがあり高級感がある」といったことが挙げられます。木目は波状にでやすいですく、テーブルなどの大きめの家具に使うと深い色味や艶がより映え、存在感のある印象を与えます。
▼ウォールナットの色・組み合わせに関してはコチラ
ホワイトオークの特徴
オークはブナ科の広葉樹です。木が白っぽく塗装が映え、白木の代表ともいえる高級木材です。日本ではナラのことを指すのが一般的ですが、日本のナラ材とオーク材とは厳密には異なります。
飛騨産業のホワイトオーク材は主に北米産のホワイトオークを使っており、ナラ材よりも木目が大きく、白っぽい色合いです。スジ状の木目に虎斑(とらふ)という独特の模様があるのは、両者に共通した特徴です。
硬く、ずっしりとしており、耐久性が高く、美しい木目と自然な色合いが人気のオーク材は、古くから家具の材料として親しまれ、船やウイスキーの樽などにも使用されている木材になります。
特徴としては「耐久性が高い」「美しい木目」「白木のナチュラルな色味」といったことが挙げられます。
ビーチ(ブナ)材の特徴
ビーチはブナ科ブナ属 の広葉樹です。木は白っぽく、粘りがあり、曲木加工に適しているので、Yチェアなど有名なデザイナーチェアにも使用される木材です。ホワイトオークの色味は似ていますが、より白く、少し赤みが掛かっています。
柾目には虎斑と呼ばれる模様が出ますが、比較的木目はきれいな材です。オークと比較すると木は少し軽いです。加工がしやすいので家具だけでなく、内装材や楽器などにも使われる木材です。
飛騨産業では主に上記の3種類を使うのですが、価格的にはウォルナット>ホワイトオーク>ビーチ と差があります。
それぞれの塗装色
飛騨産業の商品は受注生産品のため、ほぼすべての商品が木材に合わせていくつもの塗装色から選ぶことが可能です。
特にホワイトオークやビーチ材のように木が白っぽいものは様々な濃淡の塗装が可能です。
ウォールナットの塗装色
ウォルナットは以下の2色から選ぶことが可能です。
カタログなどで多い定番の色はWA色です。より深みがあり、濃い色がGW色です。
ホワイトオークの塗装色
ホワイトオークの基本的な塗装色は以下の7色です。
定番は木肌に近いOU色です。これ以外にも穂高のシリーズのアンティーク加工のK色やビターチョコのようなBT色もシリーズによって対応可能です。
ビーチ材の塗装色
ビーチ材の基本的な塗装色は以下の8色です。木肌に近いウレタン塗装はNY色です。
(商品によってオイル塗装は+15%費用が掛かります。)
値段を比較してみた
・飛騨産業の一番人気のCRESCENTのアームチェアの場合
ウォールナット(SG261AU):93,500円(税込)
ホワイトオーク(SG261A):82,500円(税込)
ビーチ(SG261AB):74,800円(税込)
・SEOTOのW160のテーブルの場合
ウォールナット(KD345U):275,000円(税込)
ホワイトオーク(KD345N):214,000円(税込)
ビーチ(KD345AB):181,500円(税込)
商品にもよりますが、椅子なら2~3割、テーブルなら4割くらい値段が違います。
ウォールナットのWA色とホワイトオーク・ビーチのWD色を比較
- ウォルナットWA色
- ホワイトオークWD色
- ビーチWD色
若干、木肌の色の違いがでますが、大きくは違いません。木目の違いも色が濃い分、そこまでは気にはなりませんね。
ホワイトオークのWD色とウォールナットのWA色を比較
実際に店頭の商品で比較してみました。
↑左がホワイトオークをダークブラウン(WD色)に塗装したSEOTO-EX のチェア、右がウォルナット(WA色)のウォルナットです。
- 左がウォルナット、右がオーク
- 手前がオーク
少しホワイトオークのWD色のほうが色が薄いですが、色味はあまり大差がありません。色味は似ていても木目の違いはでます。オークがスジ状の木目、ウォルナットは波状の木目でどちらもそれぞれ味わいがあります。
ホワイトオークのWD色とビーチのWD色を比較
次は同じWD色で塗装して、ホワイトオークとビーチを比較します。椅子の種類が違うので少し分かりにくいですが・・・・・
- 左がビーチ、右がオーク
- 左がビーチ、右がオーク
木肌の色の違いで若干違いますが、同じ塗装色ですのであまり大差はありません。
ウォルナットのWA色とビーチのWD色を比較
最後にウォルナットとビーチ材の比較です。
- 左がビーチ、右がウォルナット
- 左がビーチ、右がウォルナット
少しビーチの方が薄いですが、あまり違いませんね。また波状の木目も少し似ています。
気を付けること
木肌の色
ホワイトオークとビーチ材は木肌の色は白いので、家具が深く傷ついた場合に出てくる木肌の色はウォルナットよりも白っぽいです。
木肌が出るほど傷つくことは稀かもしれませんが、認識しておいてください。
椅子とテーブルの組合せ
「椅子とテーブルは同じ樹種、同じ色がいいですか?」と聞かれることが良くあります。基本的には同じが理想的ですし、コーディネートとしては無難です。異素材の組合せ、あえて真っ黒な椅子をアクセントとして使う場合もありますが難易度が高いです。新たに買い替える際に、予算の兼ね合いでテーブルはウォールナットで、椅子はホワイトオークのWD色にするのであれば、全て同じ樹種でそろえることをおすすめします。
ただ、すでにお持ちのテーブルに椅子を新たに買う場合は同じではなくても似ている色であれば違和感はないと思います。例えば、タモとホワイトオークでは色味が非常に似ているので違和感はほとんどありません。
経年変化
ウォールナットは時間が経つと色が明るくなっていきますが、オークはやや赤みが濃く、ビーチは変化は少ないですが黄味が濃くなっていきます。
同じ材で揃えれば問題ないですが、違う材で揃えると少しずつ色が変わってきます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
もちろんどの材も家具用の高級な木材ですので、耐久性などは遜色ありません。天然木ならではの木目違いを是非、感じてみてください。