家具キノクニヤ店長
カンブリア宮殿にて司会の村上龍さんが「立ち上がりたくない椅子」と評したことで一躍有名になった「SEOTO-EX」。実際に座ると、その座り心地と気持ちよさに感動します。そんなSEOTO-EXのシリーズについてこの記事では紹介します。
飛騨産業のSEOTO-EXシリーズの主な特徴
SEOTO-EXはSEOTOシリーズから派生したシリーズで、特にこれまでの「座る」ことへの人間工学と医学の知見を応用した椅子が特徴的です。3つの特徴をまずは紹介します。
「立ち上がりたくない椅子」と言われる座り心地
2017年の12月に飛騨産業がカンブリア宮殿に特集された時に司会の村上龍さんが言われた「立ち上がりたくない椅子」。その言葉がSEOTO-EXの特徴をうまく表現しています。座りやすさの理由は座面の背板部分にあります。
座面後が立体的に立ち上がることで、骨盤の後方回転を抑制し、長時間座った時のフィット感を維持します。板座面では表現しきれない座面の気持ちよさです。
そして背面は横方向に曲げと、縦方向の2種類の曲げの作りになっています。こうすることで、椎間板への負荷が少ないとされる立姿勢の背骨のラインを無理なく維持できるようになるそうです。
座面だけでなく、気持ちよく背中が経たつ、この背中と座面の工夫がSEOTO-EXが「立ち上がりたくない椅子」と称される理由です。
背板から脚までの一つながりの直線と曲線美
SEOTOシリーズと同様の背板から脚に掛けてのつながりがとても美しいです。背面が布張りのため、背中のまっすぐな木部のラインがとても引き立ちます。
フルアーム、セミアームともにアームから斜めにまっすぐ伸びた後ろ足がとても印象的です。脚のラインの美しさに一目ぼれるお客様も多くいらっしゃいます。
発売当初はアームチェアのみでしたが、そのあとに出たセミアームが人気になり、現在はセミアームタイプが特に人気です。
SEOTO-EXシリーズのキャビネット、テーブルも人気
椅子ばかりが注目されがちですが、実はシリーズのキャビネットやテーブルもとても人気です。「椅子は買わないけど、キャビネットは買います」なんていう人もいらっしゃるほど。
キャビネットはシリーズ共通のすっきり、浮いたような脚に珍しい蛇腹の巻込戸。開け閉めもしやすく、開口部も広いため入れやすいです。リビングのサイドボードとして使う方が多いです。
そしてダイニングテーブルは話題のV脚。V脚は二本脚なのにすっきり見えると人気です。あまりの人気にオーダーダイニングの「侭」でもV脚が発売になりました。
オーダーダイニングよりもSEOTO-EXのテーブルのほうがサイズが既成の分、お買い得です。天板の面形状はシリーズ共通の逆船底のようになっています。
SEOTO-EXのデザイナーと受賞歴
デザイナー:川上 元美 MOTOMI KAWAKAMI
2016年 ダイニングチェアがグッドデザイン賞を受賞
SEOTO-EXはSEOTOシリーズと同様に数多くのプロダクトデザインを国内外で手掛けてきた川上元美さんがデザイナーです。
SEOTO-EXの商品ラインナップ
SEOTO-EXは2015年発売の新しいシリーズですが、テーブルから収納家具まで幅広いラインナップです。特徴的な直線と曲線の特徴的なフォルムが好きな方も多く、リビングダイニングをシリーズで統一する方も多いです。椅子はもちろんですが、キャビネットやテーブルも人気です。
人気シリーズなので商品の展開が多いです。木種はウォールナット、ホワイトオーク、ビーチの3種類対応しています。
SEOTO-EXの魅力や気になること
椅子意外にも魅力的な商品が多いSEOTO-EX。特徴では伝えきれなかった魅力や気になることをここでは紹介します。
待望のセミアームがリリース (KX250AN、KX250AB、KX250AU)
「座りやすいけどフルアームは少し邪魔。。。」「SEOTOシリーズのようなセミアームはないですか?」そんな声が非常に多く、2018年の秋についにSEOTO-EXのセミアームが発売になりました!
アームが半分になることで出入りがしやすくなり、見た目もすっきり。それでいて、座りやすさや寛ぎはとてもいいです。アームが短いことで2本脚のテーブルの誕生日席にもすっきり椅子が収まります。
意外と嬉しい取っ手
少し重そうな印象のSEOTO-EX。実際は座面が板ではなく布地なのでそこまで重くはありません。そして意外と嬉しいのが、この取っ手!
毎日の掃除のときや、椅子に座るとき、背面の下まで手を伸ばさなくてもこの取っ手に手を掛けれます。意外と多いのが、「ちょっと手が濡れてるけど、椅子を動かしたい」そんなときは布地部分は汚れが気になるので触れないですが、木部なら後で拭くだけ。
ちょっとした気遣いが嬉しいですね。
ファブリック次第で椅子の印象は様変わり
飛騨産業のチェアの中ではファブリックの面積が大きいのがこのSEOTO-EXです。その分、ファブリック次第で印象が大きく変わります。人気なのが、ルッソ、ベガス、ホームツイード、クレオ、スパイス、シャームなどです。
本革を張地にすると値段もグッとあがりますが、存在感もさらにアップします。
ソファはあまりアクセント色にするとチカチカしたり、印象が強くなりすぎてしまいますが、椅子なら比較的遊び心を入れても良いかもしれません。
SEOTO-EXのV脚は内側と外側に付けることができる!?
2本脚タイプのダイニングテーブルの場合、少し気になるのが誕生日席(短辺)にも座れるかどうか。
いつもは長辺しか使わないけど、来客時は短辺も使う方には、脚を内側に取り付けることをおすすめします。
↓SEOTO-EXのダイニングテーブルの取り扱い説明書より抜粋
気軽に付け替えれるわけではないですので、取り付け設置の際は位置を充分にご検討下さい。
SEOTO-EXの巻き込戸が美しい人気キャビネット (KX552、KX554、KX561、KX566)
飛騨産業のサイドボード(高さが80―100くらいの収納家具)で今、当店で一番人気なのが実はSEOTO-EXのキャビネットです。椅子は買わないで、このキャビネットも買う方がいるくらい人気なんです。
何といっても人気は丸い側面の曲線と巻き込み扉。このタイプのキャビネットはなかなかありません。リビングダイニングの主役になれる佇まいです。
キャビネット自体は完全に閉まるので隠す収納。そしてキャビネット上にちょっと花瓶や小物を置くことでお部屋の雰囲気が変わります。小物次第でエレガントな感じにも、北欧風にもなる収納棚です。
シリーズ共通のすっきりした脚と丸いフォルムで、天然木の商品ですが過度な重厚感はありません。白木のホワイトオークやビーチ材も人気です。
ハイバックで包み込まれるようなソファ
ハイバックで、高級感があるSEOTO-EXのソファはリビングはもちろん、応接用、ビジネスシーンでも人気です。シリーズ共通の肘のフォルムや美しく伸びた脚、テーブルの前面には無垢材を使っています。総革張りとの相性も高いです。
背面は高く、両サイドが内側に曲がっていることで包み込まれるような安心感があります。また背面は2段クッションになっており、腰当たりがとてもいいです。
座り心地も椅子同様にこだわっており、人間工学の観点から背骨に負担の少ない立姿勢が維持できるように背と座の角度が工夫されています。
座面は引きバネ(エクステンションスプリング)というハイクラスの自動車シートやパーソナルチェアで使われる仕組み採用し、深みのある座り心地を実現しています。硬めの座面です
SEOTO-EXの椅子と他のシリーズの椅子の組合せ
SEOTO-EXは存在感がとてもある椅子なので、雰囲気が大きく違う椅子でバラバラに組み合わせるのは難しいかもしれません。多いのは派生シリーズのSEOTOとの組み合わせです。
特徴的なフォルムは共通なので違和感がないですよね。後ろ足のラインが横や後ろから見たときに同じなので統一感がでてすっきりした印象になります。
SEOTO-EXの椅子と他のテーブルの組合せ
シリーズのV脚のダイニングではなく、4本脚のテーブルが良い方にはオーダーダイニングの侭がおすすめです。
SEOTO-EXは幅が大きいので、ダイニングテーブルの幅が180㎝以上で、長方形・角脚にすると椅子の魅力が際立ちおすすめです。テーブルの面形状は船底面か角面がおすすめです。
丸テーブルにSEOTO-EXを2~3脚、合わせるのもおすすめです。パーソナルチェアのようなゆったりとした雰囲気がよりましてきます。
SEOTO-EXのコーディネート・納品事例
豆型テーブルとSEOTO-EXの組み合わせ
かわいらしいイメージの豆型テーブルですが、SEOTO-EXのチェアと組み合わせることで曲線の美しさが感じられる洗練されたダイニングとなりました。
「立ち上がりたくなくなる椅子」という村上龍さんの言葉に惹かれて選びましたが、本当に座り心地抜群です。曲線も取り入れて丁寧に仕上げられた表面は、いつまでも触っていたい柔らかい手触りです。
大きな板脚テーブルとSEOTO-EXの組み合わせ
存在感のある板脚のテーブルにSEOTO-EXの抜け感や脚の美しさがとても際立ちます。こちらのお客様はSEOTOの椅子も組み合わせています。
SEOTO-EXを購入する際に気を付けてほしいこと
SEOTO-EXのセミアームの肘高とテーブルの高さ
SEOTO-EXのセミアームチェアの肘高は63.5㎝と少し高いです。(SEOTOは65㎝)
お持ちの少し低めのテーブルと合わせる際は肘が収まるかご確認ください。通常の70㎝の高さのテーブルでしたら問題ありません。また、SEOTOのテーブルと合わせる際はフルアームの場合は幕板に当たるのでお気をつけください。
SEOTO-EXの椅子の幅
ゆったりとした椅子なので、どうしても幅が広いです。2脚並べる場合は幅160㎝以上ないと窮屈になってしまいます。あまり大きなテーブルが置けない場合は、4本脚より2本脚のほうが出入りがしやすく、ゆったり座れるかもしれません。
SEOTO-EX 類似品にご注意ください
テレビに出たこともあり、注目されているSEOTO-EX。先日も上海の展示会にいったときに模倣品が出回っていました。2-3万円くらいで新品が売っている場合、メーカー保証書などがないものは偽物です。(偽物でも結構高い値段です。)
すぐ壊れることもありますので、十分にお気を付けください。
飛騨産業のSEOTO-EXの当店特別SALE開催中
当店にも展示がしてあるSEOTO-EXの特別SALEを開催中です。椅子1脚だけの購入でもOKです。もちろん定番の侭やCRESCENT、SEOTOなども対象です。
飛騨産業のSEOTO-EXの注文方法
SEOTO-EXの商品はメーカーショールーム、取り扱いのある小売店の店頭で買うことができます。当店でお得に買うにはページ下部の特別お見積りのバナーからお問合わせください。具体的な商品がお決まりのお客様は品番、個数、張地の種類、塗装色、お届け先の都道府県を教えて頂けましたらお見積りさせて頂きます。具体的に決まってない方やお悩みの方はイメージ写真やテーブル、部屋の写真などからご提案させて頂きます。
SEOTO-EXの価格帯
SEOTO-EXシリーズのアームチェアですと7万円~12万円。生地は本革だと高くなります。ダイニングテーブルはW160とW180㎝の2展開で、16万円~27万円くらいです。人気のキャビネットはサイドボードで20万~30万円くらいです。木はビーチ材が安く、ウォールナットだと高くなります。
ソファは張り込みに手間がかかっている分、飛騨産業のソファの中では高めで30万円台~本革だと50万円~60万万円台くらいです。
飛騨産業のSEOTO-EXの納期
飛騨産業の商品は全て受注生産ですので、SEOTO-EXシリーズもご注文からお届けまで30日から40日程度掛かります。時期によっては多少前後することもございます。ご注文から1週間程度で納期が確定しますので、お客様へのお届け日の調整をさせて頂きます。
飛騨産業のSEOTO-EXの実物を見るには
飛騨産業のSEOTO-EXシリーズは全国6か所のメーカーショールームに展示してあります。当店にもSEOTO-EXの椅子、V脚のダイニングテーブルが展示しております。特に当店近くの飛騨の家具館 高山には椅子、ソファ、テーブル、キャビネットなど数多く展示してあります。
高山の本社ショールームにはほぼ全ての種類が展示してあります。是非、行ってみてください。
(事前にご連絡頂ければ当店スタッフがショールームでお見積りや商品の説明も可能です。)
飛騨産業のSEOTO-EXを安く買うには
飛騨産業の商品はメーカーショールームでは定価で販売しております。また多くの家具店でも定価販売のお店が多いです。当店では飛騨産業と同じ飛騨高山にあり、長く取引もあることから地元ならではのお買い得な価格で人気のSEOTO-EXシリーズを販売することが可能です。もちろん、正規販売店ですのでメーカーの10年保証も対応しております。当店でのお見積りはページ下部のお見積りバナーからお問合わせ下さい。
SEOTO-EXの木の種類や塗装色・張地について
SEOTO-EXシリーズは全てビーチ・ホワイトオーク・ウォルナットの3種類が対応しています。塗装色は白木のビーチ、ホワイトオークは木肌に近い色からダークブラウンまで幅広く選ぶことが可能です。ウォルナットは2種類から選ぶことが可能です。
ホワイトオークの塗装色
※OF色(オイル仕上げ)は10%アップの価格となります。(板座対応不可)
ビーチの塗装色
※ON色(オイル仕上げ)は10%アップの価格となります。(板座対応不可)
ウォールナットの塗装色
SEOTO-EXの人気の塗装色
SEOTO-EXはホワイトオークならOU色、ビーチならWO色、ウォルナットならWA色と定番の色が人気です。ここ2、3年は白っぽく明るいお家の需要が増えているため、WO色の人気が上がっています。
ビーチは北欧テイストが楽しめるナチュラルなNY色もおすすめです。ウォルナットのGW色はスタイリッシュなSEOTO-EXによく合い、かっこいい印象で使えます。
SEOTO-EXの椅子・ソファの張り布の種類
飛騨産業の張り布は布、合皮、本革の50以上の種類から選ぶことが可能です。SEOTO-EXの椅子やベンチ、ソファの張り布もどれでも対応可能です。生地にはランクがあり、ランクごとに金額が異なります。お家でも洗濯ができるウォッシャブルタイプ、手触りが良いもの、機能性に優れた布など多数ございます。シリーズ限定のものもございます。
詳しくはメーカーサイトよりご確認ください。
飛騨産業のSEOTO-EXの修理・張替え
飛騨産業の椅子は耐久箇所(木部)についてご購入から10年間、製作過程の不都合による破損の場合は無償修理いたします。また長くお使頂くために修理もメーカーにて受けております。
修理は商品の種類や状態によって金額は大きく異なります。修理も決して安いわけではありませんが、日々手入れをしている家具を、修理をしながら、長く使うことは地球環境に良いだけでなく、商品への愛着がより深まります。
・椅子の修理の例:座面の張替え(場合によっては座面だけの交換)、座割れの接着、チェア組みなおし、椅子の再塗装などが可能です。
SEOTO-EXの座面の修理金額・耐用年数の目安
SEOTO-EXの座面は特殊な構造の座面ですので、基本的にメーカーや販売店での対応になります。修理金額はそのときによっても異なりますが、目安としてはBランクで以下の金額です。(税抜)
・背:14,000円
・座:18,000円
※2019年現在の価格です。価格は変更となる場合がございます。
座は木ネジの取り付け・取り外しができれば座面だけの交換も可能ですが、背はメーカーでの修理が必須です。
耐用年数は飛騨産業のチェア全般の話になりますが、10年が1つの目安です。使用頻度や使い方、座面のヘタりをどれくらい気にされるかに寄りますので、5年で交換される方、15年以上使われる方もいらっしゃいます。
【修理の流れ】
・購入した店舗、もしくはメーカーに連絡
・お見積り:商品の写真をメール等で送って頂きます
・家具のお預かり:お見積り内容に合意頂けましたら、商品を飛騨産業の修理工場まで送っていただきます
・商品の確認:修理箇所を確認。追加の修理の必要があればご連絡します。
・修理:飛騨産業の修理師(Dr.kitutuki)が丁寧に修理をします
・商品のお届け:修理が完了した商品をお客様のもとへお送りします。
最後に
いかがでしたでしょうか。飛騨産業の人気シリーズ「SEOTO-EX」気になる方は是非お気軽にお問合わせください。