飛騨の家具の椅子に多いのが「ウィンザーチェア」です。
元々ヨーロッパの家具職人から学んだのが起源にある飛騨の家具はイギリス発祥のウィンザーチェアが数多くあります。この記事ではウィンザーチェアと特徴、また日本を代表する椅子を数多く作る飛騨産業の人気のウィンザーチェアの特徴を比較します。
そもそもウィンザーチェアって?
諸説ありますが、17世紀後半~18世紀ころにイギリスのウィンザー城の周辺地域で作られたイギリス発祥のの伝統的な椅子です。
イギリスからアメリカへ伝わり世界中で愛され、その後、様々な椅子のデザインに影響を与えました。由来や、定義は様々ですが今現在「ウィンザーチェア」という言葉は基本的には以下のような特徴的な形を示して使うことが多いです。
↓の写真を見て頂くと分かるのですが
- 笠木から縦に刺さった丸い棒
- 厚い木製、お尻に合わせて削り出した座面
- 脚が座面に直接、接合されている
この2つが主な特徴で、笠木の形に合わせて2つの種類があります。
ボウバックチェア
背もたれを支える木がボウ(弓)のように曲がっているのが特徴的な椅子です。可愛らしい見た目ですが、丈夫で実用性が高いです。
コムバックチェア
笠木から細い棒が縦に刺さったチェア。笠木が扇形になっているものをファンバック型と呼ぶことも。
どちらも様々な発展をして、色んな呼び方がありますが総じてウィンザーチェアという呼び方が一般的です。
飛騨産業の人気のウィンザーチェアは?
飛騨産業にはウィンザーチェアが10種類以上あります。どれも人気ですが、その中でも特に人気が高いシリーズをご紹介します。
1位:Presceltoシリーズ
今回の記事でも数多く登場するPresceltoシリーズです。ボウバックチェアとコムバックチェアのシンプルで美しい椅子が2種類あります。またツートンタイプも人気のシリーズです。笠木から座面に刺さる縦棒と脚の角度が美しさのポイントです。
2位:WINDSOR
名前にウィンザーが入っているシリーズ。カントリー調で、ロクロのデザインが特徴的。カフェや古民家などに使われる方や、熱狂的なファンも多いです。
3位:TUGUMI
当店の納品事例の記事でも人気のTUGUMI。カジュアルでコンパクトでコスパも高く人気です。笠木から出る棒が4本ですっきりした印象です。
【飛騨産業の納品事例①】ダークブラウンの床に明るいナチュラルな家具~TUGUMIのダイニング&モノトーンなインテリア コーディネート~
4位:YURURI
コンパクトで可愛らしいウィンザーチェアです。背面が低くデザインされており、笠木から出ている棒の角度がかわいらしさを演出しています。
5位:NEW MCKINLEY
背面が高く、笠木から「Vの字」に出た棒が特徴です。ウィンザーチェアの中には背棒がクロスするエックス(クロス)バックチェアも多いです。
6位:kinoe
当店に最近入荷したkinoeシリーズ。笠木の枝がアクセントになっています。
人気のウィンザーチェアの特徴を比較
色んな椅子がありますがここでは定番で比較的オーソドックスな形のウィンザーチェアシリーズのPresceltoと他の椅子を比較します。
Prescelto PS223とPS218の比較
Presceltoシリーズの2つの椅子をまず比較します。見た目は背面の形が全然違いますよね。意外と違うのは後ろ向きの印象。
左側の椅子は丸みがあり、かなり可愛らしい印象です。
もう1つ大きく違うのが座った時の背当たり。左がPS218ですが、背中を巻き込むよな形になっているのでもたれた時に包み込まれるような感覚が強くなります。
Prescelto PS223とTUGUMIの比較
特徴的なのが椅子の幅、座面の大きさがTUGUMIはかなりコンパクトです。それに伴って、背面の縦の棒も4本と少なく、すっきりした印象です。縦の棒の角度がTUGUMIは下に向かって膨らみ、Presceltoはシュッとなっているのも印象が大きく変わりますね。
あと、意外とお部屋の印象にも影響するのが背面の棒と脚の角度です。TUGUMIと比較するとPresceltは斜めに木が刺さっているが特徴的です。
デザインの違いなので優劣はありませんが、同じ椅子を2脚や4脚揃えるとTUGUMIはよりナチュラルな印象になります。
Prescelto PS223とkinoeの比較
よく似ているkinoeとPS223ですが、よく見ると笠木が違います。kinoeシリーズは枝をそのまま活かすのがシリーズの特徴で、椅子の笠木はなんとそのまま枝を使っています。また縦の棒の角度で印象も変わります。kinoeは背面が笠木から膨らんでいるので優しい印象を与えますね。
あと、kinoeの座面は珍しいのですが真ん丸の形になっており、削り出しは緩やかです。
Prescelto PS223とNEW MCKINLEYの比較
ニューマッキンレイは飛騨産業でもTOPクラスの背面が高いハイバックの椅子です。また後ろから見るとVの字棒が刺さっているのが大きな特徴です。ゆったりと背中を椅子にあずけて座りたい方にはおすすめです。
Prescelto PS223とYURURIの比較
2018年に発売になったYURURIシリーズ。特徴はマンションにも合うコンパクトな設計です。まずは高さが低いんです。その分、背板は厚く、体を支えられるようになっています。
そして、よく見ると、座板が薄いんです。脚を座面に差し、そのまま貫通させるデザインにすることで薄くても強度も維持しています。
そしてカジュアルなシリーズなので脚はまっすぐ気味に刺さっており、背面の細い棒が可愛らしい印象です。
最後に
いかがでしたでしょうか。ウィンザーチェアと一言で言っても色々ありますよね。実は他にもAWASE、プロヴィンシャル、ゴールドスミスウィンザーなど素敵な椅子があります。
似ている椅子でもちょっとしたデザインの違いで印象が異なります。是非、店頭で実際に座ったり、触ったり、眺めてみて下さい。