「木の種類は決まったけど色が決まらない…」当店でもそんな声をよく聞きます。印象が変わる塗装色は重要ゆえに悩むポイントです。
この記事では飛騨産業の人気の塗装色や「WO色とOU色ってどう違うの?」などよくある疑問、塗装色のあれこれについてご紹介します。実際に塗装色を比較した写真もご紹介します。木の種類や塗装色に悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。
ホワイトオーク、ビーチ、ウォールナット材の特徴
どれも家具に良く使われる高級な木材ですが、木目や風合いの特徴が異なります。簡単にご説明します。
ホワイトオークの特徴
オークはブナ科の広葉樹です。木が白っぽく塗装が映え、白木の代表ともいえる高級木材です。日本ではナラのことを指すのが一般的ですが、日本のナラ材とオーク材とは厳密には異なります。
飛騨産業のホワイトオーク材は主に北米産のホワイトオークを使っており、ナラ材よりも木目が大きく、白っぽい色合いです。スジ状の木目に虎斑(とらふ)という独特の模様があるのは、両者に共通した特徴です。
硬く、ずっしりとしており、耐久性が高く、美しい木目と自然な色合いが人気のオーク材は、古くから家具の材料として親しまれ、船やウイスキーの樽などにも使用されている木材になります。
特徴としては「耐久性が高い」「美しい木目」「白木のナチュラルな色味」といったことが挙げられます。
ビーチ(ブナ)材の特徴
ビーチはブナ科ブナ属 の広葉樹です。木は白っぽく、粘りがあり、曲木加工に適しているので、Yチェアなど有名なデザイナーチェアにも使用される木材です。ホワイトオークの色味は似ていますが、より白く、少し赤みが掛かっています。
柾目には虎斑と呼ばれる模様が出ますが、比較的木目はきれいな材です。オークと比較すると木は少し軽いです。加工がしやすいので家具だけでなく、内装材や楽器などにも使われる木材です。
ウォールナットの特徴
ウォールナットはクルミ科の広葉樹。世界三大銘木の一つにも挙げられ、色味の濃い高級感のある木材として人気があります。その分、ここ十数年で特に値段が上がっている木です。
見た目の特徴としては、木自体がチョコレートのような濃い茶色で、まっすぐな縦縞の木目。その他に「衝撃に強い」「加工後の反りや曲がりによる狂いが少ない」「艶や色に深みがあり高級感がある」といったことが挙げられます。木目は波状にでやすいですく、テーブルなどの大きめの家具に使うと深い色味や艶がより映え、存在感のある印象を与えます。
▼ウォールナットの色・組み合わせに関してはコチラ
飛騨産業では主に上記の3種類を使うのですが、価格的にはウォールナット>ホワイトオーク>ビーチと差があります。
それぞれの塗装色
飛騨産業の商品は受注生産品のため、ほぼすべての商品が木材に合わせていくつもの塗装色から選ぶことが可能です。
特にホワイトオークやビーチ材のように木が白っぽいものは様々な濃淡の塗装が可能です。
ホワイトオークの塗装色
ホワイトオークの基本的な塗装色は以下の8色です。
定番は木肌に近いOU色です。これ以外にも穂高シリーズのアンティーク加工のK色やうづくりを施したP色もシリーズによって対応可能です。(※WD色は2022年に廃番になりました。)
ビーチ材の塗装色
ビーチ材の基本的な塗装色は以下の8色です。木肌に近いウレタン塗装はNY色です。
(ホワイトオーク、ビーチは商品によってオイル仕上げの場合+10%費用が掛かります。※WD色は2022年に廃番になりました。)
ウォールナットの塗装色
ウォールナットは以下の2色から選ぶことが可能です。カタログなどで多い定番の色はWA色です。より深みがあり、濃い色がGW色です。
飛騨産業の人気の塗装色
木の種類と塗装色について分かったところで、その中から人気の塗装色をご紹介します。
ホワイトオークの人気の塗装色
ホワイトオークで一番人気はOU色です。少し黄みがかった色味で、ホワイトオークのナチュラルな風合いが楽しめます。他メーカーのオークの家具と合わせる場合も馴染みやすい定番の色です。(色味はご確認ください!)
この2-3年で人気急上昇なのがWO色。白やグレーを基調とした明るいお部屋も増えているため、白っぽい塗装のWO色も人気が上がっています。WO色はホワイトオークの基本色の中でも明るい色で、少し白・グレーが入っていますがしっかりと木の質感も味わえます。
ダークブラウンならDU色が人気です。ホワイトオークの木目が活かされた濃い目の色で、少しくすんだ感じが懐かしさも感じます。
ビーチの人気の塗装色
ビーチは白っぽく明るいWO色が人気です。きめ細かい滑らかな木肌と相まって、お部屋を明るく軽快な雰囲気にしてくれます。北欧テイストのお部屋にもぴったりです。
ビーチの木肌に近いNY色も人気です。WO色に似ていますが、こちらはビーチのほんのりピンクっぽい感じが出ています。NY色も北欧テイストのお部屋におすすめです。
そして密かに人気なのがダークブラウンのUW色です。ビーチの波状の木目がダークブラウンにも映え、上品な仕上がりとなっています。
ウォールナットの人気の塗装色
ウォールナットの一番人気はWA色です。少し赤みがかったブラウンで、ウォールナットの自然な風合いが楽しめます。ウォールナットの家具、と聞いてイメージするのはWA色のような色ではないでしょうか。他メーカーのウォールナットの家具と合わせる場合、馴染みやすいのはこちらのWA色かと思います。(色味はご確認ください!)
塗装色を比べてみた
塗装色についていくつかご紹介したところで「色の濃い、薄いは分かるものの実際にはどう違うの…?」という疑問が浮かんでくるかもしれません。当店でもこのような問い合わせは多いです。
ということで実際に塗装色を比較してみました。
ホワイトオークのOU色とWO色を比較
「ホワイトオークのOU色とWO色ってどう違うの?」塗装色についてのお問い合わせ率No.1と言っても過言ではないこの疑問。板見本やHPを見たところで、なんとなく違うことは分かるもののどんな風に違うかは分かりにくいかもしれません。
いかがでしょうか。撮影環境の都合で少し分かりにくいですが、比べてみるとOU色は黄色っぽくWO色は白っぽいということが分かります。
ホワイトオークのナチュラルな色にしたい方はOU色、明るい色にしたい方はWO色がおすすめです。
ホワイトオークのOU色とOF色(オイル仕上げ)を比較
続いてはホワイトオークのOU色とOF色(オイル仕上げ)です。百聞は一見に如かずということで早速見てみましょう。
いかがでしょうか。肉眼で見てもほとんど色の違いは感じられません。どちらもホワイトオークのナチュラルな色味で、一緒に使っても違和感がないためテーブルはOU色、椅子はOF色(オイル仕上げ)という組み合わせでご購入いただく方も。(逆も然り)
商品によってOF色(オイル仕上げ)はオプション料金が発生するため、OF色(オイル仕上げ)の家具を持っていて買い足したいけどオプション料金をかけたくないという方は、色味を合わせるならOU色がおすすめです。
ホワイトオークOU色とレッドオークOU色を比較
次はホワイトオークOU色とレッドオークOU色です。上で紹介していませんがレッドオークも人気の樹種です。ホワイトオークと同じオーク材で、ホワイトオークより比較的お値打ちなのがおすすめポイントです。レッドオークはその名の通り赤みがかった色味をしています。
ではホワイトオークとレッドオーク、どちらもOU色では実際にどう違うか見てみましょう。
実物を比べてもやはりレッドオークの方が赤みがかった色をしているのが分かります。とは言え、あまり大きな違いはない印象です。同じオーク材ですので木目もよく似ています。
ビーチのOU色とWO色とNY色を比較
続いてビーチを比較します。
上の画像を見るとOU色は濃いかな、と感じますが正直どれもあまり違いは分かりません。それでは実際に比べるとどうでしょうか。
向かって左からOU色、WO色、NY色です。一言で言うとOU色は黄色っぽく、WO色は白っぽく、NY色は木肌に近い色味です。
実際に比べるとOU色が濃いということが分かりやすいです。OU色は黄色っぽい塗装ですが、元の木の色の違いもありホワイトオークOU色よりは黄みが抑えられている印象です。
WO色とNY色は実際に比べてみても正直似ています。若干WO色の方が白っぽさを感じますが、一緒に使ってもそこまで大きな違和感はなさそうです。
ホワイトオークDU色とUW色を比較
今度はホワイトオークのダークブラウン色、DU色とUW色を比較してみます。
上の画像を見るとDU色の方が明るく、UW色の方が濃いということが分かります。それでは実際に比較するとどうでしょうか。
いかがでしょうか。DU色の方がマイルドなブラウンで、ホワイトオークのスジ状の木目がよく見えるため木の風合いや立体感が感じられます。UW色の方がはっきりとした濃いめの茶色で、ガツンとダークブラウンを感じます。
和テイストや優しい雰囲気が好きな方はDU色、スタイリッシュでかっこいい雰囲気が好きな方にはUW色がおすすめです。
ウォールナットとホワイトオーク&ビーチのダークブラウン色の違いとは!?
ここまでは同じ樹種を比べてみましたが、今度は違う樹種を比べてみます。
「ウォールナットの家具が欲しいけど、予算的に厳しい・・・・・でもウォールナットのようなダークブラウン(濃い茶色)の家具で揃えたい。」そんなときは他の木を濃い色に塗装してみるのはどうでしょうか。
色味はあまり差がないですし、木目の風合いの違いを理解して気にならなければ予算よりも安く買えるかもしれません。(木目の風合いが、ウォールナットよりも好きという方も実は多いです。)
ここからは飛騨産業のウォールナット(WA色、GW色)とホワイトオーク(DU色、UW色)&ビーチ材(UW色)を比較してみます。
値段を比較してみた
まずは価格を比較してみます。
・飛騨産業の一番人気のCRESCENTのアームチェアの場合
ウォールナット(SG261AU):103,400円(税込)
ホワイトオーク(SG261A):91,300円(税込)
ビーチ(SG261AB):82,500円(税込)
※2023年2月現在
・SEOTOのW160のテーブルの場合
ウォールナット(KD345U):302,500円(税込)
ホワイトオーク(KD345N):236,500円(税込)
ビーチ(KD345AB):200,200円(税込)
※2023年2月現在
このように、樹種によって椅子なら数万円程度、テーブルだと十万円以上の差があります。
単価が高い商品ほどその差が大きくなっていきます。
塗装色を比べてみた
ウォールナットWA色とホワイトオークDU色を比較
まずはウォールナットWA色とホワイトオークの明るい方のダークブラウン、DU色を比べてみます。
上の画像では木目の違いはよく分かるものの、色の濃さについては少しホワイトオークDU色の方が濃いかなという印象です。それでは実際に比べてみるとどうでしょうか。
いかがでしょうか。比べてみると、一言で「ブラウン」とはいえ色味の種類が違うということが分かります。
木目や木の色の違いもあり、ウォールナットWA色の方が少し赤みがかった茶色です。ホワイトオークDU色は木目が黒く見えることもあり、落ち着いた灰みがかかった茶色です。少しくすんだ感じが懐かしさを感じます。
DU色はセピア色のような雰囲気もあり、古民家や和のテイストにもよく合います。
ウォールナットWA色とホワイトオークUW色を比較
次はウォールナットWA色とホワイトオークの濃い方のダークブラウン、UW色を比較します。
色の濃淡の違いがよく分かりますね。それでは実際に比べてみましょう。
実物を比べても色の濃淡がはっきりと出ています。ホワイトオークUW色の方が濃くはっきりとした茶色で、黒っぽい感じがスタイリッシュでかっこいい印象を受けます。
もしホワイトオークのダークブラウン色の家具をウォールナットと一緒に使うなら、こちらのUW色よりDU色の方が違和感は少ないかな、という印象です。ただし色味や木目の違い、経年変化による差はどうしても出ます。
ウォールナットWA色とビーチUW色を比較
次はウォールナットWA色とビーチの唯一のダークブラウン、UW色です。
いかがでしょうか。ビーチでもUW色の方が濃く、ウォールナットWA色の方が赤みがかった優しい茶色をしていることが分かります。木目の優しい感じは似ています。
ウォールナットによく似ている訳ではありませんが、ビーチのダークブラウンはUW色のみのためウォールナットのような落ち着いた雰囲気が好きな方には人気です。
ウォールナットGW色とホワイトオーク&ビーチUW色を比較
次はウォールナットGW色とホワイトオーク&ビーチUW色を比較します。
ウォールナットWA色と比べた際、UW色はかなり濃く見えましたが、GW色と比べるとGW色の方が黒っぽさを感じます。こちらの塗装は全て展示がないため、板見本で比較しました。
いかがでしょうか。樹種問わずUW色はウォールナットWA色よりGW色に似ているのかなという印象です。
気を付けること
木肌の色
ホワイトオークとビーチ材は木肌の色は白いので、家具が深く傷ついた場合に出てくる木肌の色はウォールナットよりも白っぽいです。
木肌が出るほど傷つくことは稀かもしれませんが、認識しておいてください。
椅子とテーブルの組合せ
「椅子とテーブルは同じ樹種、同じ色がいいですか?」と聞かれることが良くあります。基本的には同じが理想的ですし、コーディネートとしては無難です。異素材の組合せ、あえて真っ黒な椅子をアクセントとして使う場合もありますが難易度が高いです。新たに買い替える際に、予算の兼ね合いでテーブルはウォールナットで、椅子はホワイトオークのWD色にするのであれば、全て同じ樹種でそろえることをおすすめします。
ただ、すでにお持ちのテーブルに椅子を新たに買う場合は同じではなくても似ている色であれば違和感はないと思います。例えば、タモとホワイトオークでは色味が非常に似ているので違和感はほとんどありません。
経年変化
ウォールナットは時間が経つと色が明るくなっていきますが、オークはやや赤みが濃く、ビーチは変化は少ないですが黄味が濃くなっていきます。
同じ材で揃えれば問題ないですが、違う材で揃えると少しずつ色が変わってきます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
もちろんどの材も家具用の高級な木材ですので、耐久性などは遜色ありません。天然木ならではの木目違いを是非、感じてみてください。